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開かない扉の鍵は、信頼関係構築だった

私が療育で関わった年長さんの女の子で、

出会いがなかなかハイインパクトだったというお話です

 

 

私が洗練を受けて、大きく学びを得たケースでした

 

 

初対面の日

彼女から話しかけてくることはなく、

私もその日は関わる機会がなかったのであいさつだけ交わしたけれど、

黙って私を観察していたようです

 

 

そして次に会った時、私は

「あっち行け!大嫌い!」等、暴言を浴びることになります、、、笑い泣き

 

 

彼女には運動機能に障がいがあり、

自分ひとりで出来ることと、大人の手伝いが必要なことがそれぞれありました

 

 

例えば

 

《できる》

・ご飯をスプーン・フォーク・お箸を使って食べる

・字や絵を書く

・制作活動

・歌を歌う

・本を読む

・座位の保持

 

 

《ひとりでは難しいこと》

・歩行の安定

・しゃがむ

・走る、スキップなど

・遊具によじ登る

・トイレに入って用を足す

 

《好きなこと》

・大人とおしゃべりすること

・ままごとなどの関わり遊び

(お母さん役が好き)

・嵐が出ているテレビ番組を見ること

 

 

 

さて私はある日、彼女と運動プログラムの準備をすることになりました

着替えの時に転倒しないように、手伝いをすることになったのですが…

 

 

 

「あっち行け!」

「大嫌い!」

 

しまいには…

「目のお化粧も似合ってないから!色もすごく変!」

 

その時私はたまたまアイシャドウをしていました

…鬼の形相の彼女に驚愕しつつも、

メイクに関心がいくという目のつけどころにさすが女の子だなぁと思いました

 

 

とにかく全身全霊で、私に対するイヤな要素を見つけて、拒否🙅‍♀️

 

全体の進行にも支障が出るので、彼女のお手伝いは

別のスタッフに交代となりました

 

 

 

なぜ彼女は怒ったのか?強く拒否したのか?

 

 

・かなり人見知りだった

・知らない人に自分が世話されることは、プライドが傷つく

・自分よりも後に入ってきたスタッフ(私)に対するマウント、牽制

 

 

 

つまり、彼女からすると

信頼関係構築が全くないのに、

自分のパーソナルスペースに入ってきた=敵

だったのですアセアセ

 

 

ちなみに、後から聞いたところ、

彼女からの初対面の洗礼は歴代スタッフは経験済みとのこと

 

…となると、関わる大人の配慮が足りなかったということですね

段階を踏んでから関わらないと、という意味で、、、

 

 

 

 

さあ、私はまず彼女を観察して、

冒頭のDちゃん情報を集めていきました

(アセスメント)

 

それから、Dちゃんが《ここまでならOK》な距離感をつかみました

(パーソナルスペース)

 

その中で、自由度の高い、室内遊具の時間から関わり始めました

 

 

彼女は揺れ遊具が好き

でも力が足りず、大人に揺らしてもらえないと遊べない

乗り降りはお手伝いが必要

 

 

はじめは、揺れ遊具を使いたいけど

嫌いな人(私)がいるからイヤだなという顔を見せていた彼女

 

私が他のお子さんたちと歌を歌いながら

場面を盛り上げるうちに、

ようやく渋々近づいてきました

 

 

彼女が揺れ遊具に乗る時、私は

大好きな嵐の、happinessを歌いました

 

 

私でも唯一、歌詞を知っていた楽曲でした

 

 

彼女は、

「嵐、いいよね〜。元気が出る。先生は誰が好き?私はね〜、、、」

 

と、ニコニコしながらアツく、嵐のどんなところが好きで、最近メンバーの誰がテレビで何したのがよかったか…など語り始めました

 

 

それからは彼女の方から

 

「先生、今日は何のうたにする?」と

笑顔で関わりに来てくれるようになり、

 

必要な手伝いも

「先生、やってくれる?」とヘルプを出すようになりました

 

 

彼女から私が学んだことは

  • 信頼関係構築は絶対だ!

 

ということと、

 ・相手の《好き》を知ることは欠かせない

ということでした

 

 

 

彼女のお母さんから

ご卒業の際にお手紙をいただきました

 

本当は先生が大好きで、いつも家で、

「今日はゆうこ先生とこんなことしたよ〜」と嬉しそうに話してくれていました

 

という一節は今も忘れられなくて、

彼女との思い出は私の原点ともいえる宝物になっています

 

 

※最後に、彼女が好きだったHappinessの公式動画リンクを

貼っておきます